2014年9月22日月曜日

いつもゆるかったら=参苓白朮散

今回は参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)です。
いつものようにOTC漢方薬の効能効果を見てみますと“体力虚弱で、胃腸が弱く、痩せて顔色が悪く、食欲がなく下痢が続く傾向があるものの次の諸症:食欲不振、慢性下痢、病後の体力低下、疲労倦怠、消化不良、慢性胃腸炎”とあります。
まず体力虚弱ですね...虚弱なのは治療対象になりますから、体力云々と書かれていてもこれはアリです。
その後もほぼ問題のない効能効果の書き方です。ただ、ひとつ言えば‘病後の体力低下’ですが、病後ではないですね。参苓白朮散が必要ということ完璧に病中です。




単純に言ってしまえば参苓白朮散は胃腸薬です。お腹の薬です。
慢性的にお腹が冷えて働きが悪いために栄養状態も悪くなっている場合に使うお腹の薬です。胃腸が元気に働くようになれば食欲不振や下痢、体力虚弱、疲労倦怠感も改善されることになります。
同じような胃腸の漢方薬に四君子湯や六君子湯などがありますが、最も大きな違いは、参苓白朮散を用いる状態は、胃腸が冷えて働かない上に胃腸に水分が溢れてしまっています。そのために常に泥状〜水様の下痢状態です。痛みは殆ど伴いません。
また、本質的には消化不良ですから、食べても栄養が吸収されず排泄されてしまいます。
寒がりで食欲がなく泥状便が長く続くようでしたら参苓白朮散を試してみるとよいでしょう。
参苓白朮散のエキス剤(顆粒・錠剤)を販売しているメーカーは少ないかもしれません。クラシエの推進会とコタロー、松浦漢方ぐらいでしょうか。在庫店も少ないと思いますので、ネット通販で探したほうがみつかりやすいかもしれません。


胃腸の症状でお悩みの方! 
◎漢方ネット相談行っています。
深刻なお悩みに有料相談でじっくり対応させていただきます。
  秀峰堂中学研究所漢方相談室
kampo@syuuhou.net

2014年9月15日月曜日

皮膚病にはとりあえず十味敗毒湯

今回は十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)です。これは江戸時代の著名な医師である華岡青洲によって考案された処方です。いつものようにOTC漢方薬の効能効果を見てみますと...
面白いことに二通りありますね。ひとつは体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿するものの次の諸症:化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、湿疹・皮膚炎、水虫”となっていて、クラシエの量販店・一般的向けの商品とツムラ、松浦漢方などの商品に書かれています。
もう一つは“化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、急性湿疹、水虫”と病名だけ書かれたものでクラシエの推進会商品(特定の店のみで、通販では買えません)とコタロー漢方の商品に書かれています。おそらく製造法の変更などの時に再承認を受ける際に取った簡略な効能だと思います。


ちなみに医療用の十味敗毒湯も全く同じ病名だけの適応になっています。
どちらが良いかといえば、“体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿するものの次の諸症”、この前提の部分は適正を欠いていると思いますので不要でしょう。まず、いつものとおりですけど体力中等度ってなんでしょ?握力何kgとか、50m走何病以内とかあるんでしょうか...
それに発赤は十味敗毒湯を用いる上で顕著な症状ではないです。化膿に関しても同じです。




八綱弁証で言うと寒実証用方剤ということになりますが、表面的な効果を狙っている方剤なのでこの病名だけの効能で用いて問題無いと思います。ただし慢性化していない軽症の皮膚疾患向きです。
華岡青洲の処方と言いましても、元になっている処方は明らかに荊防敗毒散です。この荊防敗毒散のエキス剤は販売されていなかったかもしれませんが、もともと有名な処方で、主に風邪薬として使われる機会が多いです。清熱作用と発散作用が主ですので、温病と言う悪寒の殆ど無い発熱を伴う風邪、あるいは化膿性の皮膚疾患で発熱を伴うような状態に適しています。
十味敗毒湯はこの荊防敗毒散から忍冬・金銀花と言った清熱剤を取り去ったものです。ですので、十味敗毒湯は強い炎症性の皮膚疾患には向きません。逆に炎症が少ないのに痒みがあるような皮膚炎・蕁麻疹には使いやすい処方と言えます。
実際に試したことはないのですが、軽い風邪のひき始めにも良いかもしれません。
まとめてしまうと、十味敗毒湯は慢性化していない、炎症を伴わない軽い皮膚のトラブルに用いる漢方薬であると言えます。


皮膚の症状でお悩みの方!
◎漢方ネット相談行っています。
深刻なお悩みに有料相談でじっくり対応させていただきます。
  秀峰堂中学研究所漢方相談室
kampo@syuuhou.net

2014年9月9日火曜日

芍薬甘草湯:急な筋肉の痛みに

今回は一番使い方が簡単で即効性の漢方薬“芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)”です。いつものようにOTC薬の効能効果を見てみますと“体力に関わらず使用でき、筋肉の急激なけいれんを伴う痛みのあるものの次の諸症:こむらがえり、筋肉のけいれん、腹痛、腰痛”とあります。


特に何も言うことはないです。筋肉の痛みを和らげたり、筋肉の痙攣を抑えてくれる漢方薬です。甘草の量が多いので腎臓が悪い人や浮腫が出た人は使用には注意が必要です。そうしたことがない場合は、痛いと思ったら飲んでいただけるお薬です。
筋肉のけいれん・痛みを和らげる働きですが、この場合の筋肉は体を動かす骨格筋・横紋筋でも、内臓筋肉の平滑筋でも効果があります。ふくらはぎの痙攣でも、胃けいれんでも効くと言うことです。ど
んな筋肉でも効くというのは何ら不思議なことではありませんが、これが新薬、西洋薬だと違ってきます。横紋筋の痙攣には筋弛緩剤と呼ばれるお薬。内臓の痙攣・痛みにはブスコパンのような抗コリン薬を使います。



芍薬甘草湯に含まれている芍薬には緊張を緩める働きがあります。精神的な緊張というのもありますが、芍薬の場合は特に体、筋肉の緊張をゆるめてくれる訳です。
甘草は急激な症状、痛みに限ったことではなく、急な発熱、咳みたいなものでも、急な症状へのクッションのような、和らげてくれる働きがあります。ですので、芍薬甘草湯は急激な筋肉の痛みに効果があるということです。
実際にこむら返りが起きた時にどれだけ効果があるかは、試してみてください。
それからもう一点、長期連用する薬ではありませんので、予防のために飲むということはやめて下さい。


筋肉の痛み症状でお悩みの方!
◎漢方ネット相談行っています。
 深刻なお悩みに有料相談でじっくり対応させていただきます。
  秀峰堂中学研究所漢方相談室
  kampo@syuuhou.net