2014年8月31日日曜日

おもいっきり弱っているなら十全大補湯

今回は十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)です。
比較的分かりやすい処方ですので、ドラッグストアや薬局で購入してお飲みになる際にもお求めやすいと思います。とにかく肉体、精神が弱っている時に使います。弱っていない人には効きません。
さて、いつもの様にOTC漢方薬の効能効果を見てみましょう。“体力虚弱なものの次の諸症:病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血”と書いてあります。効能効果でよく見かける‘体力がある’‘体力が中間’といった表現に比べれば‘体力虚弱’はいくらかマシかもしれません。ですが念のため虚弱を辞書で調べてみると‘体が弱いこと’と書いてあります。わざわざ体力と限定する意味が分かりません。体が弱い人、弱っている人という事で良いでしょう。
諸症に関しては問題なしですね。とにかく体力・抵抗力・気力が弱っている状態を回復させる漢方薬です。


では、どのくらい弱っているかというと、ほとんど寝たきり、ほとんど死にそうな状態です。そこまで弱っている人が飲んで元気になるならば、元気な人が飲んだらどれだけ元気になるのだろうかと思ってしまいます。ですが、残念なことに元気すぎる人は飲まないで下さい。血圧が上がったり、浮腫んだりといった心配が出てきます。それに元気な人が飲んでもあまり効果は感じません。それでは少しだけ弱っている人、少し疲れている人が飲んだら・・・悪く無いと思います。ただ、エナジードリンクのように一時的に元気にしようという薬ではありませんので、休養を取ることが大事です。基本的には長く患ったり、大病をして体が弱っている状態を回復させるための薬ですので・・・




健康維持の目的で十全大補湯を長期間続けたり、十全大補湯の成分を含有した栄養剤を日常的に飲まれている方は多いかと思います。それはそれで一定の効果は有りますので結構なことだと思います。ただし血圧が高い方、浮腫みやすい方、暑がりの方はやめておいて下さい。


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2014年8月24日日曜日

三黄瀉心湯

今回は三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)です。
以前に投稿している黄連解毒湯に便秘の症状が加わったようなものです。
いつものようにOTC漢方薬の効能効果を見てみますと“体力中等度以上で、のぼせ気味で顔面紅潮し、精神不安、みぞおちのつかえ、便秘傾向などのあるものの次の諸症:高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不安)、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症”とあります。



分かりやすい処方なので使い方も難しくはありません。とにかく余分な熱が発生している状態ですので、暑がりで、喉が渇き、常に冷たいものを欲します。
冷えを感じることは全くなく常に活動的でイライラしてじっとしていないような人向きです。




過剰な熱生産、実熱からくる症状ですから、イライラ・のぼせ、不眠や頭痛と言った症状が必ずあります。
実際的な使用目的としては黄連解毒湯と同じようにイライラカッカと落ち着かない状態でしょうか、ただし便秘がちで食欲があるのも必須条件です。


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2014年8月10日日曜日

腰痛・坐骨神経痛は疎経活血湯

今回は疎経活血湯(そけいかっけつとう)です。
いつものようにOTC漢方薬の効能効果を見てみますと“体力中等度で、痛みがあり、ときにしびれがあるものの次の諸症:関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛”とあります。
そのものずばり痛みシビレの漢方薬です。前提になる体質は寒虚証ですので、体力がない、疲れやすい、寒がり、冷えを感じる体質となります。



腰痛、神経痛の原因である瘀血(古い血の滞り)と痰湿(湿気・水はけの悪さ)を除く働きがあり、典型例は坐骨神経痛ですが、寒虚証であることさえ外さなければ広く痛み・しびれの症状に使える処方です。急性的なものに向きません。慢性経過した症状を改善していく薬です。




早い段階で効果が出てくることが多いですが、じっくりと治していく効き方が本質ですので、少し続けて服用すると良いです。使いやすい処方ですので、慢性の痛み・しびれ(どちらかと言うと腰から下)にはファーストチョイスとして良いと思います。


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2014年8月3日日曜日

小柴胡湯に限った事じゃないけど

今回は小柴胡湯(しょうさいことう)です。
基本方剤として幅広く使え、他の処方との組み合わせでも使いやすい処方です。
ただ、実際にはあまり使われていないのかもしれません。20年以上前のことでしょうか、日本での、特に日本の医療機関での漢方薬の使われ方の問題が露見する事故が続きました。小柴胡湯の肝炎患者への使用で起きた死亡事故です。小柴胡湯は肝炎にも効果があります。ただし熱虚症という体質(証)の人の肝炎に限ります。当時だけではなく今もそうですが、特に医療機関では証を無視した適応症のみで漢方薬が使われています。この問題は他所で詳しく書いていきますが、漢方薬を飲む際は必ずその時点での自分の証を把握して下さい。証に合わせて漢方薬を選ぶことで100%の効果と0%の副作用が実現できます。



証を把握すると言っても八綱弁証さえ分かっていれば十分です。
さて、いつもの様に小柴胡湯の効能効果を見てみますと“体力中等度で、ときに脇腹(腹)からみぞおちあたりにかけて苦しく、食欲不振や口の苦味があり、舌に白苔がつくものの次の諸症:食欲不振、はきけ、胃炎、胃痛、胃腸虚弱、疲労感、かぜの後期の諸症状”とあります。体力云々は毎度のことなので無視します。先ほどの八綱弁証で言うと、《熱虚症》という体質が小柴胡湯に対応する証です。リンク先の熱証と虚証のところに当てはまる体質です。熱か寒か、実か虚か、当てはまる項目が多い方がご自身の証です。ただし上に書いてある項目のほうが優先されますので少しだけ注意して下さい。
効能効果に話を戻しますと、“ときに脇腹(腹)からみぞおちあたりにかけて苦しく”とありますが、小柴胡湯は基本的に胸のあたり、食道から胃のあたりかけての脇部の症状を改善します。臓器で言えば食道、肺、胃、十二指腸、膵臓、肝臓、胆のうと言ったところでしょうか、心臓は血管も含むので別物と考えます。風邪から吐き気がして胃炎症状があるのが本来の適応かと思います。咳、気管支症状も含まれますし、胸のあたりの熱をとって、体力を回復させるというのが小柴胡湯の効果の本質です。熱証ですので食欲は増大している場合もあります。口の苦味は必須条件にはならないですし、白苔に至ってはただ混乱させるだけでしょう。なんで小柴胡湯に限ってこんなことが効能に書かれているんでしょうか、不明です。



毎日のようにお酒を飲む機会があって胃や肝臓が疲れ気味の人に飲んで貰っても良い処方です。ただし、熱虚症であることが絶対条件です。


胃、肝臓の症状でお悩みの方! 
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