2014年7月20日日曜日

柴胡桂枝乾姜湯=誤治を治すはずが...

今回は柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)です。
この処方も誤解されて使われることが多いかもしれません。名前からしても内容から見ても小柴胡湯の派生方剤ですので、その適応体質は小柴胡湯と同じです。熱虚証(ねっきょしょう)という証が第一の条件になります。病気に対する抵抗性が低く、余分な熱産生あるいは熱による病を患った状態です。
一般用医薬品・OTC漢方薬の効能効果を見てみると“体力中等度以下で、冷え症、貧血気味、神経過敏で、動悸、息切れ、ときにねあせ、頭部の発汗、口の渇きがあるものの次の諸症:更年期障害、血の道症、不眠症、神経症、動悸、息切れ、かぜの後期の症状、気管支炎”とあります。


かなりビックリですね。いきなり冷え性ときましたね...。柴胡桂枝乾姜湯の構成生薬の中心は柴胡と黄芩です。疑いようもなく体を冷やす生薬です。貧血気味?貧血を治す作用、血を作る働きを持つ生薬はひとつも入っていません。
漢方エキス製剤の効能効果は通常の化学成分の医薬品の効能効果との整合性を図ろうとしたためか、おかしな表現がなされているものが少なくありません。なかでもこの柴胡桂枝乾姜湯の効能効果は以前から気になっていましたが酷いですね。
間違った漢方薬の使い方を誤治(ごち)と言います。正しく証を見立てることが出来ずに本来は用いるべきではない処方を使ってしまうことです。柴胡桂枝乾姜湯の場合は効能効果通りに使えば間違いなく誤治になります。冷え性は悪化するし貧血はいつまでたっても治らないでしょう。





では、柴胡桂枝乾姜湯は何の薬か?
この柴胡桂枝乾姜湯は風邪薬です。正確に言うと、本来は取るべきではない方法で誤って風邪を治そうとして、かえって悪くなった、あるいは異なる症状に向かってしまった場合に使う薬です。具体的に言えば熱証の風邪なのに葛根湯などの温性の発散剤などで悪化させ、かえって風邪を深いところに押し込んでしまった状態です。まさに誤治です。
風邪が体表ではなく体の内部に押し込められ発汗により水分異常(津液不足)が起きて不眠症や神経症、更年期様症状や動悸・息切れのような自律神経失調症状を表しているものの治療を目的に作られたのが柴胡桂枝乾姜湯です。
このことを応用して、長期間のストレス等を受け続けていたり、急激なストレスで体調を崩したりした場合の、不眠症・神経症や、自律神経失調症的な症状に柴胡桂枝乾姜湯を用いることが出来ます。
ただし、この場合は冷え性などではなく、のぼせたり・体が火照ったりしやすく、喉が渇くことが前提条件になります。いわゆる更年期障害もあてはまりますね。水(津液)の不足がありますから、肌は乾燥してカサつきがちです。


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