2014年6月29日日曜日

牛車腎気丸は腰痛・膝痛です

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)についてです。
いつもの様にOTC漢方薬の効能効果を見てみますと“体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口渇があるものの次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)”とありますが、この方剤はもともと八味地黄丸に牛膝と車前子を加えたもので、適したタイプ・体質は全く一緒です。先日、投稿した八味地黄丸の記事を参考にして下さい。効能効果に書かれている内容も‘むくみ’に関して牛車腎気丸で少し強調されている程度の違いです。


実際の使い分けは牛車腎気丸に加えられた牛膝と車前子の効果を知ればわかります。
まず、牛膝と車前子はどんな役割をする生薬かというと、どちらも水を出す効果があります。体内の不要な水、本来は排泄されていないといけない水を除く作用があります。牛膝の薬効は下へ向かいます。下半身に効果を集中します。他の利水剤である車前子や沢泻も牛膝に引きづられ下半身の不要な水を取り除こうとします。下半身の不要な水とは何でしょう?脚のむくみ等も当てはまりますが、牛膝の名前の通り‘膝’ですね、膝に溜まった水を除こうとする効果が牛車腎気丸では強調されれいるわけです。もう一つ牛膝には駆瘀血作用があります。瘀血に関しては‘瘀血について’を参照して下さい。おおまかに言えばこの場合は血流の改善ということになると思います。




まとめますと牛車腎気丸は、八味地黄丸が向く人で、下半身の浮腫み血行不良、特に膝痛で困っている方に的を絞った漢方薬ということになります。もちろん八味地黄丸でも膝痛・腰痛に効果はありますが、牛車腎気丸は膝痛・腰痛により効果があるように作られているということです。


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2014年6月23日月曜日

八味地黄丸

今回は八味地黄丸(はちみじおうがん)です。
今から25年ほど前、薬局を始めたばかりの頃に「はちみつがん下さい!」とお婆さんがやって来ました。「はちみつがん?蜂蜜丸?・・・あぁ八味丸ですね」
もともとは生薬の粉末を蜂蜜で練り固めた丸剤ですからあながち間違ってもいません。
現在、日本で販売されているOTC漢方薬にも、丸剤の物とエキス剤(生薬から煮だしたエキスを錠剤・顆粒にしたもの)とがあります。八味地黄丸の場合はもともとが丸薬ですので、基本的には丸剤のものを買われて飲んだほうが良いでしょう。ウチダ和漢薬や第一薬品工業から発売されています。


さて本題ですが、いつもの様にOTC薬の添付文書を見てみましょう。“体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿でときに口渇があるものの次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ”とあります。
基本的に高齢者を対象とした薬ですから、虚弱で疲れやすいことが目安になります。漢方ではの衰え(腎虚)が老化であると考えます。八味丸は体、特に下半身を温めていく薬ですから、当然、冷えを感じる寒がりの人向きとなります。腎虚ですので、排尿の異常が起きることもあります。男性の場合だと前立腺肥大に伴う症状およびそのものに対する効果が期待できます。口渇は無視して良いと思います。
下半身の冷えと痛みは一定期間続けていけば効果があると思います。高齢者のかすみ目は白内障を意味していると思いますし、日本漢方では八味地黄丸が白内障に効果があると喧伝している時期がありましたが、腎虚の白内障は熱証ですので六味丸、正確には六味丸+枸杞子・菊花の杞菊地黄丸を使います。八味地黄丸は適しません。寒証の白内障であれば脾胃気虚が本質ですから補中益気湯などでしょうか・・・



耳鳴りは高血圧と関係なく老化からくるものであれば八味地黄丸が聞く場合はあります。肩こりや頭重を感じるような高血圧に使うことはないでしょう。四肢が冷えて末梢血流が悪いために測ってみたら意外と高いと言った高血圧に向いているかと思います。
手軽に老化予防の保健薬として用いて良い薬だと思いますが、熱証の方、つまり暑がりでのぼせやすいような方は逆効果ですので飲まないで下さい。

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2014年6月15日日曜日

痛みだしたら桂枝加苓朮附湯

今回の漢方薬は桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)です。クラシエ薬品などでは桂枝加苓朮附湯と言う桂枝加朮附湯に茯苓を加えた処方で販売してます。実質的には大きな違いではないので同じものと思って頂いて良いです。
さて、いつもの様にOTC薬の効能効果を見てみると“体力虚弱で、手足が冷えてこわばり、尿量が少なく、ときに動悸、めまい、筋肉のぴくつきがあるものの次の諸症:関節痛、神経痛”とあります。
体力虚弱と言っても、曖昧さがあると思います。重要なのは本人がどう感じているかということで、疲れやすい、だるいと言ったことを感じていれば虚証、虚弱であるとしていいと思います。


この効能の中で一番需要なのは“冷え”です。手足の冷えと言うよりは四肢の冷えとすべきでしょうね。また、全身冷えて寒がりだというのも含まれます。裏返して言うとこの桂枝加朮附湯という漢方薬は温める作用により効果を発揮するわけです。
尿量は多くなければ問題無いです。頻尿で量もしっかり出ているということになると他の処方も考えないといけません。



桂枝加朮附湯は体内に貯留している不要な水と冷えが重なって関節痛や神経痛が起きているのを治す漢方薬です。
動悸、めまい、筋肉のぴくつきというのは特に重要ではありません。無視してよいです。
まとめてみますと、冷え特に四肢の冷えを感じ浮腫みやすいなど水分代謝の悪い傾向のある人の神経痛、関節痛に桂枝加朮附湯は効果があります。
もう一点、桂枝加朮附湯が適しているのは急性期の関節痛、神経痛。または、落ち着いていたのにまた急に痛み出したような場合です。

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2014年6月8日日曜日

荊芥連翹湯

今回は荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)です。
花粉症の季節にも話題にはなりますが、実際は鼻の症状に関してはアレルギー性鼻炎ではなく蓄膿症、慢性鼻炎のほうが向いているでしょう。
まずはいつものようにOTC薬の効能効果を見てみると“体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの次の諸症:蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび”とあります。
またまた意味不明です。体力云々は表現として適切ではないし、あえて言えば体力無い人のほうが向いています。
皮膚の色が浅黒い?何が言いたいのでしょうか。。。すぐに削除したほうが良いと思います。
手足の脂汗...何を意味しているのでしょう?手足の火照りは重要な指標になります。
腹壁が緊張?もうこの効能の前提部分は荊芥連翹湯について何の意味もなしてないですね。
次の諸症以降の病名は適切です。蓄膿症、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、ニキビに荊芥連翹湯は効きます。ただ、慢性化した症状に対して有効ですので半年、一年と比較的長く続けて頂く必要にある処方です。



荊芥連翹湯が適する体質としては、熱虚証用の方剤ですので、喉が渇きやすく暑がりでのぼせやすく、疲れやすい人ということになります。
荊芥連翹湯は構成生薬が17種類と大きな処方であり、逆に一つ一つの生薬量は少なく、効力としては弱い、効きづらいと言わざるを得ません。漢方薬というのは構成生薬が多くなるほど対象となる証が限定され効きづらくなります。あまり第一選択として使ってほしいとは思わないですね。

蓄膿症の症状でお悩みの方!
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