2014年5月12日月曜日

温経湯

今回は温経湯(うんけいとう)です。
婦人科向けの方剤ですね。生理不順や閉経期の体調不良といったことに使います。
いつものようにOTC薬の効能効果を見てみましょう。“体力中等度以下で、手足がほてり、唇がかわくものの次の諸症:月経不順、月経困難、こしけ(おりもの)、更年期障害、不眠、神経症、湿疹・皮膚炎、足腰の冷え、しもやけ、手あれ(手の湿疹・皮膚炎)”とあります。体力云々はいつものことなので触れません。体が弱っている体力が低下している事が前提となります。全身的に体が冷えている方向にある人に用いるので、手足のほてりというのは強調して書かれるべきではないでしょう。貧血が進んでいるために‘血虚・陰虚’の状態にあるために虚熱として、偽りの熱・ほてりを感じることがあります。そこに拘るとこの処方を使う人はかなり限定されてしまうでしょう。煎じ薬であれば手足のほてりがない人には麦門冬、牡丹皮を減量することも可能ですが、このままでも問題無いです。
重要なのは冷えていることと乾燥していることです。


温経湯を用いるのは一定以上の貧血、量的あるいは質的な意味でも血の状態が悪い場合です。そして、むくみなどは無い、皮膚が乾燥し唇も乾きやすい燥証状態の人に適します。
温経湯を用いる生理不順は、生理が遅れがち、あるいは長い期間生理が来ない。おりものが多いと言ったタイプです。効能には皮膚炎やしもやけ・手荒れなどがありますが、あくまで生理不順に陥った原因に付随するものですのですので、生理不順、冷え、貧血傾向がなければ“不眠、神経症、湿疹・皮膚炎、しもやけ、手あれ(手の湿疹・皮膚炎)”と言った症状は治療対象になりません。

もう一つ、温経湯はよく不妊治療に用いられているようですが、この処方単独では無理です。補血は重要な不妊治療の要素ですが、少なくとも補腎が同時に行われない限り効果はありません。また、余談ですがこの補腎目的で八味地黄丸を温経湯や当帰芍薬散と併用して不妊治療をしようと処方する病院もみかけますが、妊娠を望む人に附子剤の長期使用はいかがなものかと思います。

漢方薬を有効に使いましょう
秀峰堂中医学研究所

0 件のコメント:

コメントを投稿