2014年1月26日日曜日

桔梗湯の内服液があるんですね

クラシエ薬品のHPを見ていたら桔梗湯(ききょうとう)の内服液というのが目につきました。
桔梗と甘草だけのシンプルな処方ですが、
喉の痛み・扁桃炎には効果があります。
効能効果も“体力に関わらず使用でき、のどがはれて痛み、ときにせきがでるものの次の諸症:扁桃炎、扁桃周囲炎”ということで、その通りですね。
いわゆる漢方の‘証’に囚われることなく用いることが出来ます。


せっかくドリンクタイプですので、ぬるま湯で割って、うがいしながら飲むとより効果的でしょう。家に常備しておいても良い薬です。

2014年1月19日日曜日

また花粉症が始まる...鼻療

もうすぐ今年もスギ花粉症の季節が始まります。
2月から5月ごろまで症状が続く人が多いかと思います。約3ヶ月、1年の1/4にあたります。秋も症状がある人や通年型の人はそれどころではありませんね。
さて、花粉症、アレルギー性鼻炎の漢方薬というと、眠気がないことで車の運転をなさる人や受験生などを中心に広く飲まれています。ただ、常に正しく使われているわけではないようです。
花粉症の漢方薬というと、小青竜湯、葛根湯加川芎辛夷、荊芥連翹湯がよく使われています。しかし、どれも本当は花粉症の薬ではありません。小青竜湯はもともと喘息の発作止めです。葛根湯加川芎辛夷は風邪の初期で、悪寒、後背部・身体の痛みに使う葛根湯に通鼻効果のある川芎と辛夷を加えただけのお粗末な処方です。
おまけにどちらも麻黄という生薬が主剤です。麻黄は気管支拡張や発汗作用を持つので風邪のひき始めに使う処方によく含まれます。有効成分は覚せい剤原料にもなるエフェドリンです。麻黄を含む処方は長期間飲むものではなく、症状のきつい初期症状の時だけ用いるもので3ヶ月も続けて飲むわけにはいきません。
血圧上昇や胃腸障害など様々な副作用を起こす可能性があります。
また麻黄はドーピング禁止薬物ですのでスポーツ選手は注意が必要です。
それから、小青竜湯も葛根湯加川芎辛夷も花粉症を治す効果はありあせん。症状の緩和だけです。最近はアレグラなどの抗アレルギー剤が一般販売されていますので、そのほうがまだましかと思います。
荊芥連翹湯は逆に長期間続けていくことで症状が改善されていく薬です。完治を目指している薬と言えます。ただ、対象は花粉症ではなく、蓄膿症や慢性鼻炎です。体質的に虚弱でのぼせやすく、喉の渇きや、手足のほてりなどを感じやすい人の扁桃腺炎・慢性鼻炎・蓄膿症を改善してくれます。

おすすめ漢方薬
花粉症の漢方薬で広く薦められる処方としては、
建林松鶴堂の鼻療(びりょう)辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)があります。
くしゃみや水様の鼻水から始まる花粉症であれば鼻療。
喉が渇きやすく、鼻づまりで粘りのある鼻が出る場合は辛夷清肺湯を使います。
どちらも季節の間を通して飲み続けて大丈夫です。


花粉症は完治できるのか
漢方薬で花粉症を完治させることは不可能ではありません。
ですが、簡単にお話できることではないので、
詳しい漢方専門薬局で相談なさるか、
私のサイトでご相談ください。
 秀峰堂中医学研究所
ただ、花粉症の場合は軽い年もありますし、無症状の季節のほうが長いので、その間の薬の服用と効果の判定が難しいことがネックにはなりますので、
季節の症状緩和だけを考えたほうが良い場合も多いです。

2014年1月13日月曜日

胃腸を丈夫にしてくれる‘六君子湯’

今回は六君子湯(りっくんしとう)です。
いつものようにOTC薬の効能効果を見てみると“体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血症で手足が冷えやすいものの次の諸症:胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐”とあります。
例によって体力云々という表現は適切とは言えません。元気がない、疲れやすいと言った表現のほうが良いでしょう。貧血は全く関係ありません。冷えるのは手足だけではなく気虚、陽虚ですから全て冷えています。手足で言うならば、力が入らない脱力感と言ったほうが適当です。

六君子湯は胃腸の薬です。胃腸の弱さが原因で体が弱っている人の胃腸を丈夫にする漢方薬です。実際に効果のある症状としては効能の胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐のとおりです。これに慢性的な下痢症状も加わります。


六君子湯と似た漢方薬に四君子湯というのも有りますが、どちらも人参湯という漢方処方がベースになっています。胃腸疾患の中でも、栄養状態に問題が生じているような、ある程度深刻な場合に適しています。たまたまの胃痛や食べ過ぎの消化不良ということではなく、慢性的に胃腸が弱いために体重減少、あるいは太れないと言った状態に陥っているのが前提です。
長い間、胃腸に不調を感じている人の胃痛、胃炎、食欲不振、常習的な下痢、吐き気と言った症状を改善します。また一時的な症状緩和ではなく、胃腸虚弱自体を改善していく効果があります。吐き気がない場合は四君子湯で良いです。
六君子湯は胃腸が弱くて体重が増えない、食が細くて十分に食べられない人にお奨めできる漢方薬です。

2014年1月4日土曜日

長引く風邪の咳にも“神秘湯”

今回は神秘湯(しんぴとう)です。漢方薬としては意味ありげな変わった名前です。
喘息の薬として知られていますが、いつもの様にOTC薬の効能効果を見てみましょう。“体力中等度で、せき、喘鳴、息苦しさがり、たんがすくないものの次の諸症:小児ぜんそく、気管支ぜんそく、気管支炎”とあります。

毎度のことですが体力云々の表現は適切ではないですね。体力はあったほうが良いに決まっていますし、この神秘湯の場合だと、使用上の注意の相談することの中に虚弱な人が入っていますので、効能効果は症状や病名の表記だけで良いのではと思います。逆に使用上の注意を外包に書くべきでしょう。箱のなかに入っている添付文書は店頭での購入時は読めませんので・・・
効能に書かれている症状、病名としてはその通りですが、喘息が主体に思われてしまうの少し残念です。実際は風邪の咳にもよく効く薬です。
この神秘湯の特徴は柴胡、陳皮、厚朴といった‘気’を巡らす成分が多く入っていることです。自律神経の乱れ、精神的なストレスが原因になっていたり、精神的に長引かせてしまっている症状を軽減してくれます。

喘息はもちろんですが、気管支炎や風邪の場合でも、痰もほとんどなく、熱もないのに咳が2週間も3週間も続くといったことがあります。
そうした時に神秘湯のような理気剤、疏肝剤を含んだ漢方薬を使うことで、すっと良くなることがよくあります。風邪をひいて咳が抜けない時などには試してみてください。
それから喘息に対しての神秘湯の使用は、あくまで発作時、あるいは発作が起きそうな時にだけ使用します。麻黄が主剤ですので長期使用はしません。通常は数日間の服用です。喘息そのものを治してくれるわけではないので注意して下さい(喘息の治療に関してはこちらでも解説しています:秀峰堂中医学研究所別館)。

OTC薬(一般用医薬品)で発売されている神秘湯はあまりありません。建林松鶴堂の露恵が一番入手しやすいかと思います。軽い喘息発作が続いたり、風邪からの咳が長引いていたら試してみてください。