2013年12月15日日曜日

かさかさ皮膚炎に当帰飲子

今回は当帰飲子(とうきいんし)です。
湿疹・皮膚炎のお薬ですね。いつものようにOTC薬の効能効果から見てみますと、“体力中等度以下で、冷え性で、皮膚が乾燥するものの次の諸症:湿疹・皮膚炎(分泌物の少ないもの)、かゆみ”とあります。体力が中等度とか体力があるとか、漢方薬の効能によく書かれていますが、体力というのは個人差が大きいものだし、病状を示すのに体力があることを前提にするのはかなりおかしな話です。体力がないと飲めないほど危険な薬ということになってしまいますよね。これは病気と病人の抵抗力との関係である病勢(実・虚)を表現しようという意図なのでしょうが、体力云々で説明しようとするのは無理があります。
今回の当帰飲子の場合は虚証用のお薬ですので、対象となる人は疲れやすく、食は細めで、痒いところを掻くと気持ちが良いといったことが特徴になります。
そして、冷え性は治療対象ではなくて当帰飲子を使う前提ですから、冷えがち、あるいは寒がりといった表現のほうが良いでしょう。



当帰飲子を使うべき人の際立った特徴は貧血です。血が量的にあるいは質的に不足しているために皮膚を滋養できず、かさかさと乾燥しています。
当帰飲子の構成生薬の大半は血を作り血を綺麗にする作用を持ちます。皮膚は内側から常に血流により滋養・滋潤されています。血の質が悪くなれば、その影響は真っ先に皮膚に現れます。もともとはお年寄りの皮膚掻痒症に使うことが多かった処方ですが、現代では、特に冬場は乾燥しやすい環境で過ごす時間も長く、食事の変化から栄養バランスが崩れ冷えがち、貧血気味の人も多いようです。当帰飲子は冬場のカサカサ痒みには試してみると良い処方かと思います。
効能をちゃんとまとめると“疲れやすくて、寒がりで貧血気味の人のカサカサと皮膚が乾燥した湿疹・皮膚炎・かゆみ”となります。

2013年12月10日火曜日

竹茹温胆湯

今回は竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)です。
基本的に竹筎温胆湯は風邪薬として使うお薬です。いつものように0TC薬の効能効果を見てみましょう。“体力中等度のものの次の諸症: かぜ、インフルエンザ、肺炎などの回復期に熱が長びいたり、また平熱になっても、気分がさっぱりせず、せきやたんが多くて安眠が出来ないもの”とあります。毎度のことですが体力云々は意味不明ですので無視して下さい。体力はあるに越したことはないでしょうし、体力がなければ病気しやすいだろうし、まして中等度って何でしょうね?

余計な事はさておき、かぜ、インフルエンザ、肺炎などの回復期に・・・・。簡単に言ってしまえば初期治療に失敗して風邪をこじらせ長引かせてしまった時に使うのが竹筎温胆湯です。


初期治療の失敗と言っても二通りあります。もともと陰虚で虚熱を感じている人などは風邪の熱がなかなか抜けず、微熱が続き治りにくい傾向にあります。普段から疲れやすく痩せて手足のほてりを感じやすい人は早めに竹筎温胆湯を服用したほうが良いでしょう。
もう一つは完全な誤治です。寒証ではないのに葛根湯などの辛温解表剤を使い、より内部に風邪を追い込んでしまった場合です。

風邪のひき始めだと、それだけで葛根湯や麻黄湯を用いてしまうことがあるようですが、あくまで、はっきりとした寒気がある場合だけ葛根湯や麻黄湯が効きます。ほてりや喉、口のかわきを感じる場合は逆効果になり悪化させますので注意しましょう。
いずれにしても風邪が長引いてしまい、熱がこもったようではっきりしない状態に竹筎温胆湯は効果があります。くれぐれもインフルエンザを治す薬ではありませんので、誤解のないように!